●AERに6000万ドル追加投資、事業強化が目的
●国内EC首位のAERは上期に損失拡大
ロシアIT大手のメール・ルは11日、中国IT大手アリババグループと設立した電子商取引(EC)の合弁会社アリエクスプレス・ロシア(AER)の増資を引き受け、6,000万米ドルを追加出資すると発表した。一方、携帯電話サービス大手メガフォンは6日、AERの株式24.3%を自社の100%親会社であるUSMホールディングへ売却した。
AERはロシアEC市場でトップの座にあり、国内および国外事業の強化に務めている。新たに調達した資金は主に◇物流・フルフィルメント(ECのバックヤード業務全般)の強化、商品カテゴリーの拡大◇サービス水準・カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)の向上に投じる。
メガフォンの持ち株24.3%はUSMホールディングが子会社USMインターナショナルを通じて取得した。メガフォンはAERへの出資目的であった「事業とECとの結びつき」がこれまでの提携で達成されたと説明している。取引額などの詳細は明らかにされていない。
ロシアのEC市場は昨年、パンデミックによる巣ごもり需要で前年比58%増の2兆7,000億ルーブル(平均為替レート換算で370億米ドル強)に急成長した。AERは2021年3月期のロシア売上高(サービスを除く)が2,293億ルーブルと前期の3倍近くに増えたものの、赤字が拡大している。今年1-6月期の損失は、前年同期の5億5,300万ルーブルから9億6,700万ルーブル(1,310万米ドル)へ膨らんだ。(1RUB=1.49JPY)