ロシアがビットコイン採掘大手の一角に、中国の禁止措置を機に

●暗号資産発掘向けに特別電力料金の導入を検討=エネルギー相

●来年初めから暗号資産による決済を禁止へ

暗号資産が禁止された中国に代わり、ロシアがビットコイン採掘の「大手」にのし上がった。英ケンブリッジ大学の研究者らがまとめた「ビットコイン電力消費指数(CBECI)」によると、今年8月時点でロシアが世界の採掘能力に占める割合は13.6%となり、米国(26.2%)、カザフスタン(21.9%)に次いで3位にランクインした。

今年5月に中国が規制強化を発表したことで、国別の採掘シェアが大きく変動した。カザフスタンは中国と国境を接し、電力料金が安いため、中国から「避難」する形で採掘が増えたとみられている。

ロシアでも特定の地域で電力消費が激増しており、シベリアのイルクーツク州では前年の2.6倍近くを記録した。イゴル・コブジェフ(Kobzev)知事も「中国での禁止を機に、違法な発掘が急激に増えている」と話す。

電力需要の急増に対応し、ニコライ・シュルギノフ・エネルギー相は先月、暗号資産発掘向けに特別電力料金の導入を検討していると話した。「電力安定供給の観点から、一般消費者向けの低料金で暗号資産を発掘できる状況を改めなければならない」という立場だ。

ロシアで暗号資産発掘マシンのコロケーションサービスを提供するビットリバーは、「業界の合法性と透明性が高まる」とこの動きを歓迎している。同社は一般料金より2.5~3倍高い産業用電力を調達しているという。

ロシアはまた、来年初めから暗号資産による決済を禁止する。アレクセイ・モイシエフ副財務相によれば「暗号資産の売買や外国での決済は合法のまま」だが、アナトリ・アクサコフ下院金融市場委員は「一般投資家による暗号資産への投資を規制する動き」が下院にあることを明らかにしている。

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