スイスのクラリアント、ルーマニアのエタノール工場が完成

●農業廃棄物からバイオ燃料を製造する独自技術を導入

●年間5万トンのセルロース系エタノールを生産

スイスの特殊化学大手クラリアントは15日、ルーマニアのセルロース系エタノール工場の建設が完了したと発表した。農業廃棄物からバイオ燃料を製造する独自技術「サンリキッド(Sunliquid)」を導入した初の量産施設となる。同工場は2018年9月に着工し、昨年中に稼働を開始する予定だったものの、新型コロナの流行を受けて工事に遅れが生じていた。投資額は明らかにされていないが、欧州連合(EU)から4,000万ユーロの支援を受けている。

新工場の立地は同国南部クラヨバ近郊のポダリ区。現地で収穫される麦わらなどを最大25万トン処理し、年間5万トンのセルロース系エタノールを生産する。抽出されたエタノールは再生可能エネルギーに利用し、化石燃料を使用することなく工場を稼働させる。

立地選定の理由としてクラリアントは、原料の調達が容易で、物流・産業インフラが整備されていることを挙げた。

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