●物価上昇スピードに対応するため市場予測を超える上げ幅に
●9月のインフレ率は前月を0.7ポイント上回る7.4%に拡大
ロシア中央銀行は22日の金融政策決定会合で、主要政策金利の7日物入札レポ金利を6.75%から0.75ポイント引き上げ、7.5%とすることを決めた。利上げは6会合連続。市場は0.5ポイントの上げ幅を予想していた。
物価上昇が予想を超えるスピードで進んでいることから、大幅な追加利上げに踏み切った。25日付で新金利を適用する。
同国の9月のインフレ率は前月を0.7ポイント上回る7.4%に拡大し、昨年5月(3%)からの上げ幅は計4.4ポイントに達した。農産物価格の上昇に加え、内需の回復に供給が追い付かず、企業がコストの増加を価格に転嫁していることが大きい。中銀はインフレ率が今年末時点では7.4%~7.9%の範囲で推移するものの、2022年に4%~4.5%まで縮小し、その後は目標値の4%寄りでとどまると予想している。
経済成長率は、新型コロナ流行への反動が落ち着き緩やかな拡大傾向を示している一方、多くの業種で供給不足が生じており、事業活動の足かせとなることが懸念されている。
中銀は声明で、コロナ禍を受けた生産供給体制の混乱と、景気回復に伴う労働力不足により、インフレ圧力は依然として高いままだと指摘。インフレ目標からの「持続的な逸脱」を招きかねないとし、状況が基本予測に沿って進む場合にはさらなる追加利上げを行う姿勢を改めて示した。