イスラエル企業、ロシアとウクライナに垂直農場を納入

●垂直農法は壁を耕地にすることで農地不足を補う発想

●年中栽培が可能。地産地消でサプライチェーンの無駄もない

垂直農法ソリューションを開発するイスラエルのバーティカル・フィールド(Vertical Field)が先月、ロシアとウクライナの流通大手に垂直農場を納入した。ロシアではマグニートのクラスノダル支店に、ウクライナではヴァルスのドニプロ支店に農場を設置。すでに野菜の収穫が始まり、店頭で販売されている。他の支店でも設置が計画されているという。

バーティカル・フィールドは2006年、テルアビブの北20キロほどに位置するラーナナを本拠に創業した。主に都市をターゲットとして垂直農法ソリューションを開発した。

壁を耕地にすることで農地不足を補うというのが基本のアイデアだ。移動可能なコンテナ型で、駐車スペースほどの場所があれば設置できる。室内栽培のため管理がしやすく、細菌や害虫の侵入が防げるため農薬を使わずに済む。管理の自動化で人手が要らず、品質が安定する。無駄も少なく、栽培用水も10分の1で足りる。

もちろん季節・天候に関係なく年中栽培できる。地産地消でサプライチェーンにおける無駄もない。収穫してすぐに商品として陳列できる新鮮さもプラスだ。すでに葉物野菜・ハーブ50種と、きのこ6種が栽培できる。イチゴも実用化に取り組んでいる。

これまでにイスラエルのスーパーや米国の老人ホームから受注したほか、アラブ首長国連邦(UAE)での販売に向けて現地の農業開発事業者エミレーツ・スマート・ソリューション・アンド・テクノロジーズ(ESST)と提携している。

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