●両社の強みを持ち寄りシナジー効果を高める狙い
●合弁設立の2年半後に経営権をLGに移す
東レは10月27日、ハンガリーの完全子会社で車載電池用セパレータフィルムを生産する東レ・インダストリーズ・ハンガリー(THU)を、韓国LG化学との折半出資会社に改めると発表した。需要の増加が見込まれる車載リチウムイオン二次電池(LIB)用の同フィルム製造で両社の強みを持ち寄り、シナジー効果を高める。LG化学の出資額は3億7,500万ドル。LG化学は合弁設立の2年半後に東レの持ち分20%を取得し、新会社の経営権を握る。
新会社「LG東レ・ハンガリー・バッテリーセパレータ」はTHUの現有設備でLIB用のバッテリーセパレータフィルムを製造し、LGグループの欧米拠点に供給する。今後の需要拡大に備え、フィルム基材の製膜設備の増強と、コーティング加工設備の新規導入も進める。
LIB用バッテリーセパレータフィルムでは、LG化学がコーティング技術、東レがフィルム基材の製膜技術に強みを持つ。合弁化により、新会社は両社からこれら技術のライセンス供与を受け、製品を生産していく。
東レが日本と韓国に持つバッテリーセパレータフィルムの関連拠点ではこれまで通り同社が開発、生産、供給を行う。