豪資源大手リオ・ティント、スロバキアのイノバットと戦略提携

●セルビアでEV用電池の循環型バリューチェーンを共同構築する

●イノバットはギガファクトリーの一つをセルビアに設ける予定

豪資源大手リオ・ティントは16日、スロバキアのバッテリー開発製造会社イノバットに投資すると発表した。今年5月の基本合意に基づくもので、セルビアで電動車(EV)用バッテリーの循環経済型バリューチェーンを共同構築する狙い。投資規模は明らかにしていない。

リオ・ティントはセルビア西部のヤダル渓谷で、24億米ドルを投じたリチウム鉱山の開発計画を進めている。60kWh換算で、EV100万台分に相当する年間約5,800万トンのバッテリー用炭酸リチウムの生産を見込む。実現すれば、少なくとも15年間はリチウムメーカーとして欧州トップの座を占める見通しだ。

イノバットはギガファクトリーを多数設置する計画で、そのうちの一つをセルビアに設ける予定だ。リオ・ティントからの資金は、ブラチスラバ近郊ヴォデラティにおける研究開発(R&D)センターと試験生産ラインの整備に充てる。

イノバットは汎用バッテリーのほか、顧客の要望に合わせたカスタマイズ製品の研究開発・製造を手がける。主な取引先は自動車、モータースポーツ、航空宇宙業界などだ。出資者及び戦略投資家、パートナーには、米ワイルドキャット、スロバキアの投資会社IPMグループ、マタドール(自部品製造)、AEN(エネルギー企業)、アクロス(物流関連企業)、MSMグループ(兵器、航空管制・ナビゲーションシステム)、チェコ国営電力CEZなどが名を連ねる。

上部へスクロール