EUがベラルーシへの制裁拡大、難民問題めぐり

●移民・難民の越境に関与の航空・旅行会社、個人に対象を拡大

●EUは20年10月から同国への制裁を開始

欧州連合(EU)は15日に開いた外相理事会で、難民問題をめぐって対立しているベラルーシへの追加制裁で合意した。すでにEUはベラルーシのルカシェンコ政権が反体制派を弾圧しているとして制裁を科しているが、制裁対象を拡大する。

EUはベラルーシが中東などから移民を呼び寄せ、同国に制裁を科すEUへの報復として意図的にポーランドなどに送り込み、移民・難民の受け入れ政策をめぐる混迷が続くEUを揺さぶろうとしているとして批判。欧州委員会のフォンデアライエン委員長は10日、制裁を強化する意向を表明していた。

外相理では移民・難民の越境に関与している航空会社、旅行会社、個人を新たに制裁対象とすることを決めた。近日中に詳細を固め、正式発表する。

EUは2020年の大統領選に不正があったとして糾弾する市民や野党をルカシェンコ政権が弾圧していることを非難し、同年10月からベラルーシへの制裁を開始。6月には同国当局が欧州格安航空大手ライアンエアー(アイルランド)の旅客機を首都ミンスクの空港に強制着陸させ、搭乗していたベラルーシの反体制派ジャーナリストの身柄を拘束したことを受けて、制裁を拡大していた。これまでの4度の制裁には、ルカシェンコ大統領など弾圧に関与した政府高官がEU域内で保有する資産凍結、EUへの渡航禁止、ベラルーシの航空会社によるEU空域の飛行、域内空港への乗り入れ禁止などが含まれている。

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