ヤンデックスのスパコン、世界性能ランキングで19位に

●「シェルヴォニェンキス」は演算速度が21.53ペタ

●同ランキングの1位は4期連続で日本の「富岳」

ロシアのIT大手ヤンデックスはこのほど、スーパーコンピューター(スパコン)の性能ランキング「トップ500」で自社のスパコン「シェルヴォニェンキス(Chervonenkis)」が世界19位に入ったと発表した。中東欧では他社を抑えてトップ。他にも同社の2基が36位と40位にランクインした。

「シェルヴォニェンキス」は今年6月に稼働。演算速度は21.53ペタフロップス(1ペタフロップスは毎秒1,000兆回の演算)に上る。やはり今年6月に稼働した「ガリューシュキン(Galushkin)」は16.02ペタフロップスで36位、昨年12月稼働の「リャプノフ(Lyapunov)」は12.81フロップスで40位となった。3基とも、CPU(中央演算処理装置)に米AMDのエピック、GPU(画像処理ユニット)にエヌビディアのA100を採用している。

ヤンデックスのスパコンは人間の脳の神経回路を模したニューラルネットワーク・モデルの訓練に使われている。これらにより、◇文章・画像・動画翻訳の速度・精度向上◇広告のパーソナル化◇インスタント検索機能の提供◇バーチャルアシスタント「アリス」の提供――などが実現できるという。

スパコン「トップ500」は1993年以来、6月と11月にランキングが発表される。並列計算プログラムの処理性能を計るリンパック(LINPACK)テストが基準となる。1位は富士通が理化学研究所と共同開発した「富岳」で、4期連続でトップの座を占めた。

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