バルト3国の議員団が訪台、関係強化を確認

●バルト3国の議員団が共同で台湾を訪れたのはこれが初めて

●提携強化と、「脅威への共同対処」を言明=蔡総統

バルト3国の議員団は11月29日、訪問先の台北で蔡英文総統に会見した。中東欧諸国が中国と距離を取り始めているのを象徴する出来事で、中国はこの動きに強く反発している。

蔡総統は議員団との会談で、台湾と3国が「共有する価値観と、自由で民主的な生活を守るために提携を強めていけることを望む」と言明した。また、「強権的な政治に耐え、自由を求める戦いのなかで民主主義の大切さを学んできたという共通の経験がある」としたうえで、「強権主義と虚偽情報の広がりに共同で対処していきたい」と希望を述べた。

中国は年来、巨額投資をちらつかせて中東欧地域への浸透を図ってきたが、話と異なる「空約束」の多い現実を受け同国と距離を置く国が増えている。特にラトビアの動きは明確で、今年5月、中国と中東欧諸国の提携の枠組みである「17+1」を離脱。先月18日には中国の反対にも関わらず、事実上の大使館に当たる「台湾代表処」の開設を実行した。

台湾を自国領とみる中国はこれに強く反発し、リトアニアとの外交関係を格下げ。特命全権大使を召還し臨時代理大使を置いた。それでもラトビアは、来年初め、台湾で代表機関を開設する計画を堅持している。ポーランド、欧州委員会および米国はこれまでにラトビアの立場を支持する姿勢を明らかにした。

中国は、台湾を自国領とする立場から、同国が国際会議へ出席したり、他国と外交関係を結んだりすることを強く拒否している。中国を刺激しないため、台湾の国外代表機関は「台湾」ではなく「台北」などの呼称を用いるのが通例だ。

バルト3国の議員団は与野党の10人から成る。台湾が民主主義諸国との関係強化を目的に12月2、3の両日に開催する国際フォーラムに出席するため同国を訪れた。バルト3国の議員団が共同で台湾を訪れたのはこれが初めて。

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