仏アルストムとハンガリーMOLが提携、鉄道輸送への水素燃料活用で

●非電化区間の気動車を燃料電池で走行させ、CO2削減につなげる

●アルストムの水素燃料電池車はすでにドイツなどで導入済み

鉄道車両大手の仏アルストムとハンガリー石油最大手のMOLは2日、鉄道輸送への水素燃料活用に向けて提携することで基本合意したと発表した。非電化区間の気動車を燃料電池で走行させ、二酸化炭素(CO2)の排出を削減する狙い。

MOLは水素を年間15万トン弱生産・供給している。この経験をベースに、環境負荷の小さい代替燃料である水素を気動車の動力に応用する可能性を探る。

一方、アルストムは世界初の水素燃料電池車「コラディア・アイリント」を開発。すでにドイツなどで先行生産車が導入されている。今年から量産を開始しており、来年からドイツで量産モデルが運行される見通しだ。

国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で先月採択された「グラスゴー気候合意」に象徴されるように、温暖化ガスの排出削減の重要性が広く認識されつつある。欧州連合(EU)は従来通り、温暖化ガスの排出を1990年比で55%削減する目標を掲げる。2050年までには実質で排出ゼロ(ゼロ・エミッション)を達成する方針だ。

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