●TOGGの電動国民車などにEVバッテリーを供給する
●将来的にセルの生産も現地化の予定
リチウムイオン電池の製造を手がける中国の※能科技(ファラシス・エナジー)は11月30日、トルコの電動(EV)国民車メーカーTOGGと、折半出資の合弁会社SIROを設立したと発表した。来年後半に生産を開始し、TOGGなどにEVバッテリーを供給する。
SIROはTOGGのゲムリク工場に隣接する用地に年産能力20ギガワット時(Gwh)の電池工場を整備する。当初はファラシスの中国工場からセルの供給を受けてバッテリモジュール、バッテリーパックを組み立て、その後、セルの生産もゲムリク工場で手がける計画だ。ゲムリクに近く、SIROが本社を置く「ITパーク」に研究開発センターを設け、三元系(NMC)リチウムイオンの開発に取り組むことも予定している。
この合弁プロジェクトへの投資額は公表されていないが、米テスラがベルリン郊外に設置を予定する50Gwhのバッテリー工場の整備費用が50億ユーロと言われることからも、トルコ政府から多額の助成を受けていると推測される。
なお、ファラシスは2019年、独ビターフェルトに欧州工場を設ける方針を発表したが、今年夏には計画を先送りすることを明らかにした。トルコ合弁会社設立のプレス発表ではドイツでの投資について全く言及しておらず、実現するかどうかは不透明だ。(※は浮のつくり)