独RWEとロシア天然ガス大手ノバテク、ブルー燃料の販売で提携

●ノバテクの北極圏GCCで天然ガス由来のアンモニアと水素を生産

●生産時に出るCO2は回収・貯留により排出量を削減する

独エネルギー大手のRWEとロシア天然ガス大手ノバテクは7日、燃料の脱炭素化に共同で取り組むことで基本合意したと発表した。生産での二酸化炭素(CO2)の発生を削減あるいは実質ゼロに抑えるブルー燃料を生産し、欧州で販売する。再生可能エネルギーを利用するグリーン燃料の量産体制が整うまでの「つなぎ役」として、電力安定供給に役立てる考えだ。

具体的には、ノバテクが北極圏ヤマル半島に建設を予定するオビ天然ガス化学コンプレックス(GCC)で、天然ガス由来のアンモニアと水素を生産する。生産時に出るCO2は回収・貯留(CCS)を通じ排出量を削減する。この「ブルーアンモニア」と「ブルー水素」をRWEを通して欧州の需要家に供給する。

両社は同時に、液化天然ガス(LNG)の販売提携も強化する。従来のスポット販売に加え、長期供給契約の受注も模索していく。ノバテクは、実質的なCO2排出をゼロにした「カーボンニュートラルLNG」も出荷していく方針だ。

ノバテクはヤマル半島のLNGプラント計画を拡大し、GCCを整備する方向に転換した。すでに基本設計(FEED)前の概念設計・概算費用検討段階に入っており、来年上半期に完了する予定だ。10月末時点の情報では、アンモニアを年間200万トン以上、水素を約12万トン生産し、排出するCO2の9割以上(400万トン以上)を回収・貯留することを目標としている。

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