ロシア北極圏のLNG開発事業、JBICなどと総額95億ユーロの融資契約

●JBICは17億1,000万ユーロを限度とする融資枠を設定

●アークティックLNG2の生産量の約1割は日本向けに出荷

国際協力銀行(JBIC)は11月30日、ロシアの民間ガス最大手ノバテクが北極圏ギダン半島で進める液化天然ガス(LNG)生産事業「アークティックLNG2」に対し、ロシアや中国の銀行との協調融資の形で貸付契約を結んだと発表した。ノバテクによると、融資の総額は95億ユーロで、JBICはそのうちの17億1,000万ユーロを限度とする融資枠を設定した。ノバテクは調達した資金をガス田の開発とLNGなどの生産に振り向ける。

アークティックLNG2は生産規模が日量53万5,000石油換算バレルと見込まれ、設置する3つの液化トレインの年産能力は各660万トンとなる。生産されるLNGは北極海航路を利用して欧州とアジアに輸出され、このうちアジア市場には約8割が供給される見込みだ。また、生産量の約1割は日本向けに出荷される。

同事業にはノバテクのほか、仏トタル、中国石油天然気集団(CNPC)子会社の中国石油天然ガス勘探開発(CNODC)、中国海洋石油(CNOOC)、ジャパン・アークティックLNG(三井物産と石油天然ガス・金属鉱物資源機構の合弁会社)が出資している。

今回の協調融資にはJBICのほか、中国国家開発銀行、中国輸出入銀行、露ズベルバンク、ガスプロムバンク、国営の開発対外経済銀行(VEB)などが参加している。

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