トルコの11月インフレ率21.3%、6カ月連続で上昇

●通貨リラ安に伴う輸入品価格の上昇が影響

●同通貨の年初からの対米ドルの下落幅は40%に達している

トルコ統計局(TUIK)が3日発表した11月の消費者物価指数(CPI)の上げ幅は前年同月比で21.3%となり、前月(19.9%)から1.4ポイント拡大した。インフレ率の上昇は6カ月連続。通貨リラ安に伴う輸入品価格の上昇が響き、2018年11月(21.6%)以来の高水準に達した。

上げ幅を分野別にみると、構成比重の大きい「住居費・公益料金」で前月の21.3%から23.8%、「運輸(自動車燃料含む)」で20.7%から22.7%へと拡大し全体を強く押し上げた。「宿泊・外食」も28.9%と大きい。上昇率は最も低い「通信」でも5.8%上った。「食品・非アルコール飲料」はほぼ横ばいの27.1%と高止まりしている。

同国中銀は9月以降、高金利を目の敵にするエルドアン大統領の意をくむ形で3回の利下げを実施し、政策金利を合計4ポイント引き下げて15%に設定した。これを受けてリラ安が一段と進み、年初からの対米ドルの下落幅は40%に達している。

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