ルーマニアのOMVペトロム、南東欧4カ国でEV充電ステーションを整備

●合計100カ所に急速・超急速充電ステーションを整備する計画

●充電時間の短縮でEV普及を後押し

オーストリア石油大手OMVのルーマニア子会社OMVペトロムは14日、来年末までに国内およびブルガリア、モルドバ、セルビアの合計100カ所で、電動車(EV)用の急速・超急速充電ステーションを整備する計画を明らかにした。充電時間の短縮でEV導入の加速に貢献できるとみている。

OMVペトロムのラドゥ・カプラウ取締役(石油下流事業担当)によると、同社はガソリンスタンドを運営する全ての国で充電インフラの設置を進めている。来年末までにOMV、ペトロムの両ブランドのスタンドの15%で充電できるようになる見通しだ。急速充電ステーションでは約40分、超急速ステーションでは20分弱で80%充電が完了する。これにより、充電時間が短くなり、EV普及へのハードルが低くなると予想する。

OMVペトロムは過去2年間に、エルドライブ(Eldrive)、エネルX、レノヴァチオ(Renovatio)の3社と、ルーマニアおよびブルガリアにおける充電設備設置で提携を結んだ。高速・超急速充電ステーションを80カ所で整備する内容で、このうち20カ所以上が超急速となる見通し。これまでに19カ所で設置が完了した。

モルドバではレノヴァチオと提携し、出力75キロワット(kW)のステーションを最低5カ所に設置する。セルビアでは地元のチャージ・アンド・ゴーと提携し、来年年央までに高速道路沿いのOMVガソリンスタンド5軒でステーションを整備する。出力は100~200kWの予定だ。

OMVペトロムによると、同社は南東欧最大の総合エネルギー企業で、2020年の石油・天然ガス生産量は5,300万boe(石油換算バレル)に上った。年間製油能力は450万トン。ルーマニアおよび周辺国ではOMV、ペトロルの両ブランドでガソリンスタンドを展開する。9月末の店舗数は787軒だった。30年までには運営スタンドのうち約500軒で、石油とならび、電気、天然ガス(LNG、CNG)、水素といった新しい燃料を提供していく計画だ。

同社には墺OMVが51%、ルーマニア政府が20.6%、投資ファンドのフォンドゥル・プロプリエタリャが7%出資しており、残りの21.4%はブカレストとロンドンの証券取引所で取引されている。

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