●「以前なら3台買えた金額でも今は2台しか買えない」=販売業者
●自動車税の引き上げ幅は当初の36.2%から21%程度へ縮小
トルコで中古車価格が急上昇している。世界的な半導体不足で新車の供給量が減っているためで、価格はもちろん、仕入れの見通しも立たないため、中古車ディーラーは頭を抱えている。エルドアン大統領は対策として、自動車税の引き上げ幅を緩和するもようだ。
イスタンブールのエルマシュ・ラミ自動車市場で中古車を売るゼイディン・メレコオール氏は、「売り物の車を鑑定家に見せたら、18万リラ(1万3,000米ドル)ぐらいと言われた。しかし、頭をよぎったのは『2、3日後には同じような車を同じような値段では買えないのでは』という考え」と話す。価格は週単位で上がっていく。「40日前に16万リラだった車が今日は24万リラで売られている。今、自分が売っている自動車の仕入れ値が直に2~3万リラ高くなるかと思うと、売ろうかどうか迷う。12年間この商売をしているが、こんなことは初めて」と困惑を打ち明ける。
やはり中古車販売を扱うタシュタン・イシュク氏も、「当分は何が起こるかわからない、不安定な状況が続くだろう」とみる。「新車は市場に出てこず、買いだめした輩が闇で自動車を売っている。購買力が落ちて、以前だったら20万リラで3台買えたところが今では2台しか買えない」とこぼす。
この状況を受けて、エルドアン大統領は来年の自動車税(MVT)の引き上げ幅を縮小する方針を打ち出したもようだ。与党・公正発展党(AKP)の役員によると、36.2%の予定だったが、インフレ率並みの21%へ縮小される可能性があるという。