チェコとハンガリー、半導体不足で工業生産がマイナスに

●両国とも自動車産業への依存度高く

●チェコのシュコダ自は稼働率が75~80%に低下

自動車産業が経済をけん引するチェコとハンガリーで、半導体不足が経済全体に影を落としている。10月のチェコ工業生産高は4.9%減となり、2020年7月以来で最悪となった。ハンガリーも3.4%減で、下げ幅が予想を上回った。一方、両国に比べて自動車産業への依存が小さいポーランドは7.8%の増加を記録した。

チェコでは自動車が工業生産の4分の1を占める。同国統計局によると、半導体不足の問題がタイヤ産業など、関連分野にも波及し始めている。

チェコ最大の輸出企業であるシュコダ自動車は10月、2週間の減産措置を実施した。部品調達については先月24日、年末までの生産に必要な分を確保したと発表したが、今月に入って新型コロナの新たな感染の波で欠勤者が増え、稼働率が75~80%に低下していることを明らかにしている。

ハンガリーについては、オランダ金融大手INGブダペスト支店のペーテル・ヴィロヴァーツ主任エコノミストが、「経済で重要な地位を占める自動車と電子電機産業が依然として深刻な部品不足に陥っている」と指摘。早急な状況改善が見込めないことから、「(両産業より)規模の小さい産業分野がどれほど生産を伸ばせるかが国内総生産(GDP)の動向を左右する」と話した。

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