露通信大手MTSグループ、バイオメトリックス技術の開発企業を買収

●ビジョンラブズの買収額は70億ルーブル

●同社はコンピュータービジョン分野の大手

ロシア移動体通信大手MTSグループの人工知能(AI)ベンチャー基金インテマが、生体認証(バイオメトリクス)技術を手がけるビジョンラブズ(VisionLabs)を70億ルーブル(9,500万米ドル)で完全買収する。画像・映像解析製品を強化することで、グループのデジタルサービスのエコシステムを進化させる狙い。

ビジョンラブズの生態認証技術はコンピュータビジョンがベースとなっている。これはコンピューターがデジタル画像・動画などの視覚的入力から有意な情報を導き出し、その情報に基づいて行えるタスクを自動的に処理できるようにする技術で、同社はこの分野の大手だ。

インテマは、ビジョンラブの株式を(1)国営の金融・IT大手ズベルから25.07%(2)MTS親会社システマの関連会社システマVCから23.16%(3)創業者から51.77%――それぞれ取得する。(3)については、インテマの直接の親会社であるMTS AIの株式と交換する形をとる。

ズベルは2017年の時点で、バイオメトリクス技術プラットフォームの内製化を視野に同社へ少数出資した。今回の取引についてズベルのレフ・ハシス副社長は、「ビジョンラブズの技術ノウハウや他のソリューションを活用して、世界に通用する技術を社内で開発できる体制になっている」とこれまでの成果を指摘。そのうえで、今後も顔貌・ジェスチャー認識領域で提携を継続することを明らかにした。(1RUB=1.53JPY)

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