イスラエルの新興企業、子宮頸がんの遠隔診断システムを開発

●子宮頚部を高解像カメラで撮影、画像データをもとに遠隔診断

●子宮頸がんによる死亡者数は2018年に世界で31万1,000人

イスラエルの新興企業イルミジュン(Illumigyn)が子宮頸がんの遠隔診断を可能にするシステム「ガイネスコープ(Gynescope)」を開発した。へき地に住む人でも検診を受けられるようにするためで、来月から国内に器材を積んだバンを派遣する予定だ。

ガイネスコープは膣鏡に装着する形で使用する。子宮頚部を高解像カメラで撮影し、通常の診断時には直接モニターに画像を映して患者への説明に利用できる。遠隔診断の場合は、クラウドに保存した画像を、別の場所にいる婦人科医が診断する形をとる。診断が難しい場合には、複数の医師が同じ画像を見て検討することも可能だ。

いずれにしても、医師と患者が対面せずに診断でき、遠隔医療への応用に適している。男性医師が女性患者を敬遠する地域においても、女性看護師や助産師がデータをとり、医師は画像のみでがんの疑いがあるかを判断できる。

イルミジュンによると、人工知能(AI)による診断ソフトも開発中だ。

世界保健機関(WHO)によると、子宮頸がんは女性のがんとして4番目に多い。2018年には世界で57万人が罹(り)患し、31万1,000人が死亡したと推定される。早期に発見できれば治癒(ゆ)率も高いが、検査環境の整っていない地域では、見つかった時には手遅れというケースが少なくない。

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