●コンピュータービジョン技術を活用し、車内全体の様子を監視
●運送会社などでのフリート安全管理需要を見込む
イスラエルのスタートアップ企業シピア(Cipia、旧アイサイト)が、不注意運転による事故を予防する車内センシングシステムの開発に取り組んでいる。分散処理型のコンピュータービジョン・人工知能(AI)技術を活用し、ドライバーはもちろん、同乗者や荷物の位置など車内全体の様子を監視する。運送会社などでのフリート安全管理需要を見込んでいる。
米国ではトラックがらみの交通事故が年間50万件起きており、貨物運送業界は「死ぬリスクが高い」ことが知られている。米自動車協会(AAA)の調べによると、死亡事故の21%で「ドライバーの疲れ」が原因となっており、シピアはこれに着目した。
同社の技術は、リアルタイムでドライバーの様子を監視する。視線の向き、瞬きの頻度、眼の開き具合から疲れや不注意の度合いを測る。居眠り、ながら運転、シートベルト着用、ドライバーの身元確認、喫煙、マスク着用などがチェックでき、危険と判断した場合には警告音で知らせる。
運輸会社のオフィスで、稼働中のトラックの車内をまとめて監視することもできる。警告の報せは車内だけでなく、オフィスのモニター担当者にも届く。
シピアによると、同社のコンピュータービジョンは、簡単なCPUベースのシステムから複雑なNPUシステムまで、多様な環境に対応できるのが特徴という。