ロシアのヤンデックス、欧米事業を縮小

●米の自動運転事業を中止、英仏の食品即配からも撤退

●バルト諸国では当局が配達・配車サービスの営業を禁止

ロシアIT大手ヤンデックスの欧米事業が縮小している。米国の自動運転車運用、大学内フードデリバリーサービスはすでに中止した。ラトビア、エストニアでは当局が配達・配車サービスの営業を禁止、英国、フランスではヤンデックス自身が撤退方針を明らかにした。

ヤンデックスは2022年以来、米ミシガン州のアナーバーで少数の自動運転車から成るフリートを試験運用していたが、先月29日までに「州運輸当局による運用免許取り消し」を理由に従業員を解雇した。州側は免許取り消しの事実を否定している。

ロシアのウクライナ侵攻後まもなく、ヤンデックスはアナーバーでの自動運転車運用を停止した。また、アナーバーのほか、オハイオ州、アリゾナ州で提供していた自動配達ロボットによるフードデリバリーも中止した。

エストニアでは3月31日、当局がヤンデックスの配車・デリバリーサービス「ヤンデックス・ゴー」を11日から禁止すると発表した。ロシア運輸省が、連邦保安庁(FSB)にタクシー利用者データへのアクセス権を認める法案を準備していることを受けて、「エストニアの安全保障を脅かす可能性がある」と判断した。

ラトビアもやはり安全保障上の理由から、先月23日からヤンデックス・ゴーの営業を禁止している。

英国とフランスにおける食品即配サービスの「ヤンゴ・デリ」については、ヤンデックスが4日、英国とフランスから撤退する方針を明らかにした。フランス事業は閉鎖だが、英国事業は売却先を探している。

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