ウクライナの電動バイクメーカー、ポーランドに生産移管

●「スクランパー」は電動バイクでは異色のオフロード仕様

●ポーランド製の同バイクの発売は11月からの予定

ウクライナの電動2輪車メーカー、EMGoはこのほど、電動バイク「スクランパー(ScrAmper)」の生産をポーランドに移管すると発表した。ロシアの軍事侵攻を受けた措置で、ポーランドで生産することで提携先の技術協力を得ることも可能になる。同社は最近、クラウドファンディングを通じて製品の市場投入に向けた資金調達を強化していた。

「スクランパー」はオフロード仕様の電動バイクで、街乗り向けが主流の電動バイクでは異色の存在だ。パワートレインとして最大出力16キロワット(kW)、平均出力9kWの電気モーターに4段変速機を組み合わせる。走行可能距離は最大200キロメートル、最高時速は125キロとなり、性能は排気量150ccから200ccのガソリンモデルと遜色ないという。

搭載する容量9.8キロワット時(kWh)の三元系リチウムイオンバッテリーは急速充電が可能で、50%までの充電に要する時間は30分、80%までが1時間、満充電までは100分と短時間なのが特長だ。コンバインド充電システム(CCS)のプラグを標準装備しており、110ボルトから220ボルトの家庭用電源を利用できる。

ポーランドで生産された車両の販売開始は今年11月からの予定。価格は6,300ユーロとなる見込みだ。

ウクライナ南部の港湾都市オデッサに拠点を置くEMGoは2019年、同国のバイクメーカー、ゲオン(Geon)などの合弁会社として設立された。同社は「スクランパー」のほかに電動キックボード「ラッツォ(Razzo)」と電動スクーターの「フライホイール(Flywheel)」の2種類を生産している。

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