●調達先の一部をウクライナからチェコに移す
●今後ルーマニアやモロッコなどでの調達も増やす計画
独フォルクスワーゲン(VW)グループのチェコ子会社であるシュコダ自動車は1日、ワイヤーハーネス部品の調達先の一部をウクライナからチェコに移したと発表した。同社はウクライナ戦争の影響でワイヤーハーネスの供給が滞ったため、完成車生産を部分的に中断していた。今後ルーマニアやモロッコなどでの調達も増やしていく計画だ。
チェコの調達先の1つであるPEKMケーブルテクノロジーは、戦争開始後5週間でウクライナ西部のリビウ工場からシュコダ自のムラダー・ボラスラフ本社工場内に生産の一部を移管した。生産量は4月から徐々に回復しつつある。同工場では「ファビア・コンビ」用のワイヤーハーネス生産が行われているほか、「オクタビア」、「コディアク」、「カロク」、「スペルブ」向けの生産も今後開始する予定だ。工場ではリビウで勤務していたウクライナ人女性35人が働いている。
シュコダはまた、独クロムベルク&シューベルト(K&S)がモロッコの首都ラバト近郊に持つケニトラ工場でのワイヤーハーネスの生産を増加させる。K&Sはウクライナのシュトミル工場での生産も一部再開する予定。ウクライナでの生産再開とモロッコからの調達増により、電動SUV「エンヤクiV」に必要なワイヤーハーネスは確保できる見通しとなっている。
シュコダは今年9月以降にウクライナのフメルニツキー工場での生産を他の国に移管する方針だ。電動車の充電に使われる高圧電力用ワイヤーハーネスについては6月末からルーマニアで調達するほか、「オクタビア」と「スペルブ」向けのワイヤーハーネスはモロッコのタンジェで生産する予定。