チェコCEZ、核燃料調達で米仏の2社と契約

●契約期間は10年、契約額は数十億コルナ

●CEZは燃料貯蔵量を2年分から3年分に引き上げる

チェコ国営電力大手CEZは6月28日、テメリン原子力発電所への核燃料の供給契約を米ウェスチングハウスおよび仏フラマトムと結んだと発表した。契約額は数十億コルナ(数千万~数億ユーロ規模)。CEZは同原発の核燃料の調達先多様化と併せ貯蔵量も増やす。契約期間は10年で、最初の燃料納入は2024年となる予定。

CEZによると、テメリン原発の現在の核燃料貯蔵量は約2年分で、ドゥコバニ原発はややそれを上回る。今回の契約で貯蔵量を3年分まで増やすと共に、燃料調達の多角化を図りロシアへの依存度を引き下げる。

ウェスチングハウスとフラマトムは今年4月の入札で同事業を落札した。CEZは2016年にテメリンとドゥコバニ両原発の燃料貯蔵量を増加させることを決定していた。

CEZは今年3月、ドゥコバニ原発における原子炉新設に関する入札を開始した。仏電力公社(EDF)、韓国水力原子力発電(KHNP)及びウェスチングハウスの応札が見込まれている。露ロスアトムと中国広核集団は参加しなかった。

ウェスチングハウスは中東欧での事業を強化しており、今年5月に国営ブルガリア電力とエネルギー貯蔵施設の建設事業で基本合意に達した。4月にはスロベニアの3社とAP1000型原子炉の導入推進で協力することで合意している。

CEZは700万世帯に電力を供給し2万8,000人を雇用する。チェコのフィアラ首相は、重要なエネルギーインフラ事業者である同社に対する政府の影響力を強化するため、今後2年以内に同社の組織改革を行う意向を明らかにしている。(1CZK=5.74JPY)