イスラエルのスタートアップREE、米国で共同開発EVバンを一般公開

●電動バン「プロキシマ」は「P7」プラットホームを採用

●P7は小型・中型トラックへの幅広い応用が期待される

電動車(EV)の開発を手がけるイスラエル新興企業REEオートモーティブが25日、電動バン「プロキシマ(Proxima)」を米国で一般公開した。デリバリーバン車体を製造する米モーガンオルソンおよびEAVX(いずれもJBポイントデクスター・グループ)と共同開発したもので、今年1月のハイテク技術見本市「CES 2022」で発表したプラットホーム「P7」を採用している。今後数週間にわたってライブデモを実施し、顧客の評判を確かめる。

「プロキシマ」に使われているREEのプラットホームは、同社の独自技術「REEコーナー」を用いたシャシだ。電気信号によって駆動・制動・操舵制御を行うバイワイヤ技術を採用することでホイールアーチ内に機能を収納し、完全にフラットな形状を実現した。REEでは、小型・中型トラック(米国基準2b~6クラス、車両総重量3.8~11.8トン)へ幅広く応用できると自信を示している。

ボディデザインの可能性の大きさを活かし、「プロキシマ」は乗降口を低くしたほか、荷室で人が立てる高さを確保し、配達員の負担軽減を図っている。

REEは2013年にテルアビブ地区のヘルツリーヤで創業した。英国でエンジニアリングセンターを運営するほか、日本やドイツに子会社を持つ。年内に米オースティンで同国事業本部とグループ初のインテグレーションセンターを開所する予定だ。提携先には、日野自動車、加マグナ・インターナショナル、仏ナヴィヤ(自動運転バス)、アメリカン・アクスル・アンド・マニュファクチャリングなどが名を連ねる。