ブルガリアEVメーカーのシン・カーズ、ルーマニア工場を計画

●多目的プラットフォーム「Lシティ」を用いた車両を生産する

●新工場の整備などを通じ、年産能力を全体で2万台に引き上げる

ブルガリアの電動車(EV)メーカー、シン・カーズ・インダストリー(Sin Cars)は9日、ルーマニアに工場を設置し、生産能力を強化する計画を明らかにした。完成後は多目的プラットフォーム「Lシティ」を用いた車両を生産する。着工時期や投資額などの詳細は明らかにされていない。

シン・カーズが拠点を置くブルガリア北部のルセ(ドナウ川沿い)の対岸にあるジュルジュに新工場を設置する。70ヘクタールの敷地に4段階で建設する予定。今後10年間で段階的に事業を拡大する計画の一環で、ルセ工場の拡張も視野に入れている。

ローゼン・ダスカロフ社長は、「当初想定していたルセとその近郊での新工場の建設計画が進展しないでいたところに、ルーマニアから49年間の長期使用が可能な土地提供の提案があった」と述べた。

来年はルセ工場に生産ライン1本を増設し、Lシティベースの車両を1日当たり1台、生産できるようにする。新工場の整備を通じ、年産能力を全体で2万台に引き上げる方針だ。

シン・カーズは8月、年内に合計10台の「Lシティ」モデルをドイツ、オランダ、ギリシャの各市場に納入する契約を結んだと発表した。最終的に14台の車両を生産する計画で、売上高は75万ユーロを見込んでいる。

同社は2012年にルセを拠点に創業した。まず、電動のレーシングカーやスーパーカーを開発。18年に「Lシティ」のプロトタイプを発表し、現在はEVバス・トラックの開発に取り組んでいる。

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