●吉利の傘下ブランド以外の同プラットフォーム導入は初
●吉利と協力し競争力を高め、国産車の生産国へと脱皮を目指す
ポーランドの電気自動車(EV)開発製造会社、エレクトロモビリティ・ポーランド(EMP)は17日、初の国産EV「イゼラ(Izera)」に中国の浙江吉利控股集団(Geely Holding)のEVプラットフォーム「サステナブル・エクスペリエンス・アーキテクチャ(SEA)」を採用すると発表した。吉利の傘下ブランド以外で同プラットフォームを導入するのはEMPが初めて。同社は2024年からイゼラの第1弾モデルとなるコンパクトSUVを生産する計画だ。
EMPはCセグメントのイゼラでコンパクトSUV、ハッチバック、スーションワゴンの3タイプを投入する。51キロワット時(kWh)ないし69kWhのバッテリーを搭載。航続距離で340~450キロメートル(WLTPサイクル)を確保する。生産は同国南部ヤヴォジュノにある工場で行う。SEAプラットフォームは1,800~3,300ミリメートルの幅広い範囲でホイールベースを設定できる。
ポーランドはEV分野で近隣のスロバキアやチェコ、ハンガリーに後れを取っている。EMPは吉利との協力をテコに競争力を高め、同国を「外国ブランドの組み立て工場」から国産車の生産国へと脱皮させる考えだ。
政府は2016年、EVの国内保有台数を25年までに100万台に増やす目標を打ち出したが、19年に下方修正。ハイブリッド車(HV)と合わせて30年までに60万台を実現する――へと改めた。20年7月末までに登録されたEVは1万3,057台にとどまっている。