●技術革新分野での連携を強化し、西欧地域との差を縮める狙い
●「中東欧諸国の競争力維持にはイノベーションが不可欠」
ドナウ川流域の14カ国が参加するドナウ・テックバレー・イニシアチブ(DTVI)計画が具体化に向けて動き出している。ブラチスラバのシンクタンクGLOBSECの主導で進められているもので、技術革新分野における連携を強化し、西欧地域との差を縮める狙いだ。
GLOBSECはイニシアチブの背景として、2年にわたる新型コロナのパンデミックによる混乱と、2月以来のウウクライナ戦争の影響を指摘する。欧州にとってロシア産天然資源への依存解消は喫緊の課題となっている。また、「中東欧諸国が今後も国際競争力を維持するにはイノベーションが不可欠だが、この点で西欧諸国に大きく後れをとっている」。これらのことから、イノベーションおよび未来の課題でドナウ川でつながる地域がより緊密に提携する必要性を痛感したとしている。
GLOBSECは今年6月、まずオーストリアとスロバキアで政府の支援を取り付けた。近く、チェコ、ハンガリー、ブルガリア、ルーマニア、スロバキア、セルビアの6カ国からもサポートが得られる見通しだ。政府・行政府および研究機関・大学、スタートアップ、一般企業に、DTVIを交流・提携プラットフォームとして活用してもらいたい意向だ。
DTVIの対象となるのは、オーストリア、ドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州とバイエルン州、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、クロアチア、チェコ、ハンガリー、モルドバ、モンテネグロ、ルーマニア、セルビア、スロバキア、スロベニア、ウクライナのチェルニウツィー州、イヴァノ州・フランキウシク州、ザカルパルツカ州、オデッサ州。