●ウエスチングハウスは加圧水型原子炉「AP1000」を設置
●発電所の総発電能力は最大3,750MWeになる予定
ポーランドの国営原子力事業会社PEJは15日、同国初の原子力発電所の建設事業者である米ウエスチングハウス・エレクトリックと協力協定を結んだ。来年からの建設準備段階における協力方法を定義するもので、基本設計作業、各種許認可、用地取得、物資調達・建設計画などの項目が含まれる。両社は来年中に原発の設計に関する合意文書に署名する予定。
ポーランド政府は11月、ウエスチングハウスに原発設置を委託することを決定した。同社はグダンスク北西部80キロほどの、バルト海に近いルビアトボ・コパリノで原発工事を行う。設置するのは加圧水型原子炉「AP1000」で、発電所の総発電能力は最大3,750メガワットエレクトリック(MWe)。2033年の電力供給開始が予定されている。
同国のマテウシュ・ベルガー戦略エネルギー・インフラ担当政府全権委員は、「ポーランド経済の発展には安価でクリーン、安定した電力が必要で、原子力の選択は自然なものだ。原発の開発はロシア産化石燃料への依存から脱け出す動きにも影響を与えるだろう」と述べた。
ポーランドは国内の総発電量に占める石炭の割合が欧州連合(EU)で最も高い70%に上っており、石炭に代わる重要電源として3つの原発の導入を計画している。2つめの原発については韓国水力原子力発電(KHNP)に建設を委託する方針。3つ目については委託先が未定となっている。