●公私双方の端末からティックトックのアプリを削除する必要
●ティックトックの利用規制の動きは各国で広がる
欧州委員会は2月23日、中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を同委の職員が利用することを禁止すると発表した。サイバーセキュリティー上の懸念に対応するためと説明している。
欧州委の職員は業務で使用している公用および個人用のスマートフォンなどからティックトックのアプリを削除する必要がある。3月15日までに削除しない場合、欧州委がオンライン会議で使用しているビデオ通話アプリ「Skype for Business」や組織内メールのアプリが使えなくなる。
欧州委は声明で「サイバーセキュリティー上の脅威から組織を保護するための措置であり、サイバー攻撃に利用されるリスクを排除する狙いがある」と説明。ティックトック以外のソーシャルメディアについても継続的にセキュリティ面の検証を行う方針を示した。
ティックトックは欧州委の決定に対し「見当違いで根本的な誤解に基づくものだ。当社は欧州委と接触し、EU域内の月間ユーザー約1億2,500万人のデータをどのように取り扱っているか説明してきた」と反論している。
ティックトックを巡っては、ユーザーの個人データや機密情報が中国側に渡るリスクを警戒し、各国で利用を規制する動きが広がっている。米国では2022年12月に成立した法律で、連邦政府の公用端末でのアプリ利用が禁止されたほか、州レベルでも約半数で同様の規制が導入されている。