製造業の国際化が一段と進展、外国投資計画が過去最高を更新

2017/04/12発行 No.1134号

記事分類:総合 - ドイツ経済ニュース

独製造業の国際化が今年は一段と進展する見通しだ。ドイツ商工会議所連合会(DIHK)が国内メーカー2,500社を対象に今春、実施したアンケート調査によると、外国投資を計画する企業の割合は昨年の47%から49%へと上昇し、調査を開始した1995年以降で最高となった。世界経済の加速が追い風となっている。

外国投資を計画する企業の割合は2001年時点では34%にとどまっていた。だが、その後は国際化を推進する企業が増加しており、近年は同割合が40%以上の水準で推移。グラフは緩やかながら右肩上がりとなっている(下のグラフ1を参照)。

外国投資を今年、計画する企業の割合が最も高い部門は投資財で、昨年の53%から58%へと拡大。自動車では58%から69%、医療機器では45%から58%へと大きく拡大した。機械は3ポイント増の57%、電機は横ばいの56%だった。中間財部門は横ばいの45%、消費財部門は3ポイント増の46%となっている。

外国投資を計画する企業に同投資額を「今年は増やしますか」とたずねたところ、「はい」は32%に上り、「いいえ」(12%)を20ポイント上回った(下のグラフ2を参照)。「はい」と「いいえ」の差が特に膨らんだのは中間財で、5ポイント増の23ポイントへと拡大。金属製造・加工では14ポイント増えて17ポイントとなった。

外国投資の目的として最も回答が多かったのは「販売・顧客サービス」で、全体の45%を占めた。これに「市場開拓に向けた生産」が31%、「コスト削減に向けた生産」が24%で続いた。

コスト削減のために国外に生産拠点を確保する企業の割合は03年の42%をピークに減少へと転じ13年には20%まで低下したものの、14年から再び上昇基調にある。再生可能エネルギーの利用拡大に向けたドイツ政府の政策や、経済の堅調を背景とする人件費の上昇を受けて、エネルギー集約型の中間財メーカーと労働集約型の消費財メーカーでコスト圧力が高まっているという事情が大きい。

ユーロ圏での投資が拡大

外国投資の目的地・国ではユーロ圏との回答がダントツで多く、60%(前年55%)に上った。2位は中国と北米でともに37%。中国は横ばいにとどまったものの、北米は前年から4ポイント上昇した。

ユーロ圏内への外国投資計画が増加したのは、同地の経済が回復しているうえ、ユーロ安を受けて同圏外への投資の割高感が強まっているためだ。米トランプ新政権が保護主義的な政策を打ち出すと、中国など新興国の経済が打撃を受ける恐れがあるという事情もある。

対中投資の目的としてコスト削減を挙げる企業は16%で、昨年の18%から減少した。同国の人件費が上昇し、現地に工場を構えてもコスト削減効果を得にくくなっていることが背景にある。ただ、所得と中間層の拡大を受けて高額な消費財の需要が拡大していることから、販売・サービスのために同国に投資する企業は44%から49%へと増加した。

北米投資を計画する企業が増えたのは、欧州連合(EU)とカナダの包括的経済貿易協定(CETA)が近く、発効する見通しのため。米国の景気拡大もプラスに働いている。

トランプ政権の経済政策に対しては規制緩和やインフラ近代化の恩恵を期待できる金融、交通、建設などの業界で前向きな評価が多いものの、同国で活動する独企業の間ではマイナスの影響を懸念する声が圧倒的に強い。輸入製品に対する関税引き上げや公共投資の拡大に伴う財政赤字の拡大で、米国経済が中長期的に低迷する恐れが高いためだ。

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