EUタイ航空会社を要監視対象に、乗り入れ禁止は見送り

欧州委員会はこのほど、安全上の問題からEUへの乗り入れを禁止する世界の航空会社のリストを更新した。国際民間航空機関(ICAO)から政府の航空監督体制の問題を指摘されているタイの航空会社はリスト指定を免れたが、要監視対象に指定され、改善が進まない場合は乗り入れ禁止措置を発動することになった。

ICAOは昨年6月、タイ当局による航空会社への監督が不十分と指摘していた。これを受けて米当局は先ごろ、タイの航空会社の安全格付けを引き下げ、米国路線の新規就航を禁止した。

欧州委はタイ当局が対応強化を約束したことから、同国の航空会社の域内への乗り入れ禁止を見送った。ただ、要監視対象として動向を注視し、安全対策が十分に講じられていないと判断すれば同措置を発動する方針を打ち出した。

EUは2006年から安全基準を満たしていない航空会社を「危ない航空会社」のリストに指定し、域内への乗り入れを禁止または制限している。欧州委は年2~3回の頻度でリストを見直す。今回の見直しでは、カザフスタンのアスタナ航空がリストから除外された一方で、イラク航空、スリナムのブルー・ウイング航空が新たに指定され、域内への乗り入れが禁止される航空会社は20カ国の計230社となった。

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