ダイムラー、イラン市場復帰に向け現地生産・販売で提携合意

独自動車大手ダイムラーのトラック部門ダイムラー・トラックスは18日、イラン市場での復帰に向けて現地企業のイラン・ホドロ・ディーゼル(IKD)およびドバイに本社を置くマムート・グループと提携することで合意したと発表した。イランに対する経済制裁の解除を受けた措置で、現地生産や販売会社の合弁設立などで協力する。イランでは物流業界などでトラックの大きな刷新需要があると見込んでいる。

ダイムラーとIKDは、メルセデスベンツブランドのトラックと駆動部品を生産する合弁会社の設立および同ブランドのトラックと部品を販売する販社の設立について合意した。また、ダイムラーがエンジン生産の合弁会社(IDEM)に再び資本参加する計画なども検討している。

2016年第1四半期(1~3月)に首都テヘランに駐在員事務所を開設し、年内にトラック「アクトロス」と「アクサー(Axor)」の完全ノックダウン(CKD)生産を開始できるとの見通しを示している。

また、三菱ふそうのモデルでは特に小型商用車に需要があると見込んでいる。三菱ふそうブランドの販売では、マムート・グループ傘下のマヤン(Mayan)と協力する。

イランではトラックを中心に商用車に大きな刷新需要があると見られており、ダイムラーは物流業界に大きな商機があると見込んでいる。イラン政府は、国内で約20万台の商用車の刷新需要があり、うち3~5年以内に5万6,000台が刷新されると予想している。

ダイムラーは、イラン市場に1953年から乗用車およびトラック事業で進出しており、経済制裁前には最大1万台を販売していた。このうち大部分を商用車が占めていたという。

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