独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)と独物流会社のシュネルエッケ・ロジスティクスは、眼鏡型ウェアラブル端末(スマートグラス)の採用を拡大することを検討している。1月25日付の独業界紙『オートモビルボッヘ』が報じた。
同紙によると、両社は2015年7月にVW本社のあるボルフスブルク工場で独Ubimax製のスマートグラスを試験導入した。同端末には、製品の出し入れなどを支援する「pick-by-vision」と呼ばれるソリューションが採用されており、グラスに部品の保管場所や部品番号などが投影される。タッチ操作や言語操作が可能なため、両手が使えるようになり、作業も簡易化される利点がある。さらに、小型カメラが付いており、バーコードスキャナーとしても機能する。正しい部品を取り出すと緑色、間違った部品を選ぶと赤色で従業員に知らせる仕組み。
『オートモビルボッヘ』紙によると、VWはこのスマートグラスをその他の分野や工場、グループブランドにも導入することを検討しているという。ただ、スマートグラスを着用するかどうかは従業員が決めることができる任意性とする方針。また、これまでの試験導入では、バッテリーの容量が少ない、フレームの強度が低い、長時間かけて作業をすると頭痛がする従業員がいる、といった課題も見つかっているという。