独住宅不動産最大手のヴォノヴィア(デュッセルドルフ)は10日、同2位のドイチェ・ヴォーネン(DW)を株式公開買い付け(TOB)で買収する計画が失敗したことを明らかにした。DW株50%以上の獲得をTOBの成立条件としていたが、最終的に30.4%しか確保できなかった。
ヴォノヴィアは昨年10月14日、DWを債務の引き受けも含めて総額140億ユーロで買収する方針を打ち出した。DW株11株につき現金83.14ユーロと自社株7株を割り当てることをDWの株主に提案。ドイチェ・ヴォーネンを1株当たり26ユーロ弱と評価した。これは前日の終値(24.20ユーロ)を7%以上、上回る水準だった。
これに対しDWの経営陣は◇買収提示額が低くDWを過小評価している◇ヴォノヴィアは巨額の負債を抱えておりDW株主がTOBに応じてヴォノヴィアの株主になることはリスクが大きい――などと批判。株主に対しTOBに応じないよう呼びかけていた。