独デパート大手カウフホーフ(ケルン)は各地で展開する店舗に現地事情に見合った独自性を持たせる考えだ。オリビエ・ファンデンボッシュ社長が従業員宛ての文書で明らかにしたもので、店長の裁量を拡大。本社は戦略や全体の統制に特化する。同社は昨年、カナダの小売大手ハドソンズ・ベイ・カンパニー(HBC)に買収されており、今後は事業のあり方を大幅に見直していく考えだ。
同社長は、顧客がぶらっと立ち寄りたいような店舗づくりを目指すと表明。そのためには新製品や顧客ニーズを反映できる調達体制の構築が必要だとの認識を示した。調達分野では事業効率も高める考えで、人員整理を行うとしている。
食品売り場のあり方も見直す考えで、高級品の品ぞろえを強化する店舗を持つ一方で、コーヒーや茶、ワインに特化した店舗も展開するなどの考えを示した。「普通のスーパーをコピーしたような店舗を顧客は求めていない」と断言している。
イメージの刷新に向けて今年はデュッセルドルフのケーニヒアレー、フランクフルトのハウプトヴァッヘ、シュツットガルトのケーニヒシュトラーセなど計10カ所の店舗で改装を行う。
HBCは米国で成功したアウトレットチェーン「サックス・オフフィフス(Saks OFF 5TH)」を欧州でも展開する考えで、来年春にも欧州第1号店をドイツに開設する予定だ。同チェーンはブランド品を安値で販売するのが特色。ドイツの事情に合わせて独自色を出すとしている。