チェコ政府、OKD助成交渉を打ち切り

チェコ政府は炭鉱閉鎖問題で揺れる同国の石炭会社OKDに対する助成措置をめぐる交渉をこの程打ち切った。チェコラジオが18日報じた。同社は先ごろ炭鉱の閉鎖計画を無断で発表した。一度の大量解雇を避けたい政府はこれに反発、17日になり同社に対して破産手続きに入るよう通告した。炭鉱の段階的閉鎖を求めて同社に救済措置を提案してきた政府は、今後は解雇後の従業員の処遇に集中する意向だ。

今月初めにOKDのエクマルク社長は、モラビア=シレジア地方にあるパスコフ、ラジ、ダルコフの3鉱山の閉鎖計画を発表した。しかし、政府は事前に相談がなかったことを問題視し、ムラーデク経済相が今後は同社と救済策について交渉する意向はないことをこの程明らかにした。

同社は最近のコークス炭の価格低迷を受け巨額の債務を抱えていることから炭鉱の閉鎖を進める意向を示してきた。一方、政府は2020年までは炭鉱を維持すべく環境省が2023年まで採鉱許可を延長したり一部の炭鉱を1コルナで買い上げるなどの救済措置を提案してきた。

今回のOKDの閉鎖計画では今後2年間で従業員の半数を解雇し、2018年までに5,000人まで削減するとしていた。OKDは同地域で1万人を直接雇用し、さらに3,000人が関連産業で働いているという。

同地域の鉱山の段空的な閉鎖は政府や労働組合によって支持されてきた。しかし、議会では大量解雇を前提とした議論が既に始まっている。検討されているのは新産業への投資や解雇された従業員の再教育機会の提供などだ。一方、経済委員会のピルニー議長は「一度に何千人もの従業員が解雇されれば対応できないだろう」と述べている。

同社が解雇を実施する時期と規模については依然明らかになっていない。24日に発表される同社の親会社ニューワールドリソーシーズの昨年の業績如何によっては今後事業解体が加速する可能性もある。

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