独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は、本社のあるボルフスブルク工場の物流業務でさまざまなデジタル技術を実証試験している。現在は、4週間のパイロットプロジェクトで、スマートウオッチ、タブレット端末、無線ICタグ(RFID)付きアームバンドを試験しているという。同工場ではこれまでに眼鏡型ウェアラブル端末(スマートグラス)を試験導入した。VWはこれらの取り組みについて、物流業務をより迅速かつ正確に行うための措置を常に考えている、と説明している。
スマートウオッチは、カメラ機能がついており、バーコードをスキャンすることができる。また、無線LAN経由でサーバーから必要な部品のデータがスマートウオッチに送信されてくる仕組み。保管場所や部品ナンバーもディスプレーに表示される。
RFID付きアームバンドもバーコードスキャナーを手に持つ必要がなく、作業員が正しい荷物を選ぶと音が1回鳴り、間違った荷物を選ぶと音が2回鳴る仕組みという。アームバンドは、普段メガネをかけている人などがスマートグラスの代わりに使用するのに適していると分析している。
タブレット端末は、物流スペースで使用する車両30台とフォークリフト60台に投入した。部品データのほかにナビゲーションシステムも付いており、より円滑な車両の運転が可能になると見込んでいる。
物流業務へのタブレット端末の試験導入はブラウンシュヴァイク、カッセル、エムデンの国内3工場でもパイロットプロジェクトとして実施する計画という。