ハンガリーのオルバン首相は6日、訪問先のアゼルバイジャンで同国のアリエフ大統領と会談し、両国の経済関係の発展と強化を図ることで合意した。良好な政治的関係をテコに、運輸、エネルギー、農業、先端技術などの分野のほか、社会保護(ソーシャルプロテクション)や高等教育でも協力していく意向だ。
首相の訪問に合わせて開かれたアゼルバイジャン・ハンガリー・ビジネスフォーラムには、農業、情報通信技術(ICT)、建設、再生可能エネルギー、製造業、観光業、軽工業、コンサルティングなど多様な分野のハンガリー企業代表が約50人参加した。アゼルバイジャンのムスタファエフ経済工業相は両国企業による合弁の可能性に触れ、特に製薬大手ゲデオン・リヒターに対し、アゼルバイジャンでの合弁会社設立を呼びかけた。ハンガリーの対アゼルバイジャン輸出で医薬品は総額(6,500万米ドル強)の約半分を占めている。
観光業では今月27日にハンガリー格安航空(LCC)ウィズエアーがブダペスト―バクー直行便を就航させる。
現在、道路・橋梁建設にハンガリー企業が参加しているが、両国は提携をさらに一歩進め、道路使用料徴収システムなど情報通信関連事業や農業開発にも広げたい意向だ。
また、国連による制裁が解除されたイランを視野に、第三国での合弁事業にも意欲を示した。
フォーラムに出席したハンガリーのシーヤールト外務貿易相は、「ハンガリーは以前にも増してアゼルバイジャンのような信頼できる友人を必要としている」と述べ、両国関係の重要性を強調。単に取引を増やすだけでなく、ICTを中心に投資提携を深めていきたいと抱負を語った。この関連では、ハンガリー輸出入銀行が両国の提携深化を支援するため、2億ドルの融資枠を設定したことを明らかにした。