ドイツ取引所―米子会社ISEをナスダックに売却―

ドイツ取引所(フランクフルト)は9日、株式オプション市場を運営する米子会社インターナショナル・セキュリティーズ取引所(ISE)を米同業ナスダックに売却することで合意したと発表した。成長戦略に基づく措置で、ISEの親会社U.S.エクスチェンジも含めて現金11億ドルで譲渡する。私設電子取引所(PTS)のバッツ・グローバル・マーケッツ(BATS)とブロックチェーン技術開発のデジタル・アセットは手元に残す。売却手続きは金融監督・独禁当局の審査を経て今年下半期に終了する見通し。

ISEは2000年の設立で、ドイツ取引所は傘下のデリバティブ取引所ユーレックスを通して07年に買収した。だが、リーマンショックに端を発する金融危機以降、ISEの業績は振るわず、市場シェアが低下。ドイツ取引所はこれまでに数度、評価損を計上した。

ドイツ取引所は昨年夏、すべての事業分野で世界2位以上になることを目標に掲げる成長戦略「アクセレート」を打ち出した。将来の競争力、収益力、イノベーション力、戦略的な効用の観点から事業を選別する方針で、ISEは振い落された格好だ。

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