ドイツ鉄道(DB、ベルリン)が16日発表した2015年12月期決算の純損益は13億1,100万ユーロの赤字となり、前期の黒字(9億8,800万ユーロ)から大幅に悪化した。赤字計上は12期ぶり。組織再編や貨物部門での巨額評価損計上が響いた。16年12月期は黒字転換を見込む。
15年12月期の営業利益(EBIT、調整済み)は17億5,900万ユーロで、前期を16.6%下回った。鉄道機関士労組GDLのストライキで水準が3億ユーロ押し下げられたという。売上高は為替差益の効果で1.9%増の404億6,800万ユーロに拡大し、初めて400億ユーロを突破した。
長距離路線バス市場解禁の影響で減少傾向にあった長距離旅客鉄道の利用者数は2.2%増の1億3,190万人となり、拡大へと転じた。料金据え置きのほか、割安感のある特別切符の拡充が奏功した格好。フーバー取締役は「乗客は価格に極めて敏感だ」と述べ、今後も値上げを見合わせる考えを示した。16年の実施を予告していた二等車座席指定の無料化については17年以降に先送りすることを明らかにした。