EUとインド、テロ対策・経済連携強化で一致

EUとインドは3月30日、ブリュッセルで首脳会談を開き、先のベルギー同時テロを受け、テロ対策で連携強化を図ることで一致した。また、自由貿易協定(FTA)を含む包括的貿易投資協定(BTIA)の交渉を促進し、経済関係の強化を目指す方針も確認した。

13回目となる首脳会談にはEUのトゥスク大統領、欧州委員会のユンケル委員長、インドのモディ首相が出席した。モディ氏が首相に就任した2014年5月以降、EUとインドの首脳会談は今回が初めて。会談はテロの現場となった地下鉄駅に近いEU本部で開催され、共同声明ではテロの資金源や武器供給を絶つため、双方が連携を強化する姿勢をアピールした。

一方、EUとインドは07年にFTA交渉を開始したが、知的財産分野や温暖化対策などをめぐって溝が埋まらず合意に至っていない。双方はFTAを含むBTIAの早期妥結に向けて交渉を加速させることで一致したが、共同声明は「どのように交渉を進展させるかについての協議を歓迎する」との文言にとどまり、交渉期限などは示されていない。

首脳会談ではさらに、欧州投資銀行(EIB)がインド北部ウッタルプラデシュ州ラクノーの地下鉄建設プロジェクトに4億5,000万ユーロを融資することで合意。EIBはこれを受け、インド政府との間で初回分として2億ユーロの融資契約を締結した。

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