ブルガリア、ドナウ川底パイプラインの建設を墺社に発注

ブルガリアとルーマニアを結ぶ天然ガスパイプライン敷設計画に関連し、ブルガリア国営送ガス会社ブルガトランスガス(Bulgartransgaz)は6日、オーストリアのハバウPPSパイプラインシステムズに、ドナウ川底を含む2.1キロ区間の工事を委託した。取引額は明らかにされていないが、ブルガトランスガスによる入札手続き開始時の推定額は470万ユーロ(税抜き)だった。7月中旬に完工する予定。

ブルガトランスガスは、ドナウ川を挟むルーマニア・コマスカとブルガリア・マルテンを結ぶ25キロメートルのパイプラインを敷設しており、今回の委託区間はその一部を構成する。全体の工事費は推定2,400万ユーロで、うち1,330万ユーロを欧州連合(EU)の助成でまかなう。年間輸送能力は15億立法メートル。本来の計画ではすでに開通しているはずだったが、川底の地盤沈下などで工事が難航している。

ブルガリアは天然ガス需要の約90%をロシアから輸入する。エネルギー安全保障の観点から、調達先を多様化する方針で、隣国のガス網との連絡パイプラインの建設に取り組んでいる。(東欧経済ニュース2015年12月16日付「ブルガリア―ギリシャ天然ガスパイプライン着工へ」を参照)

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