バッテンフォール―褐炭事業を売却―

スウェーデン国営エネルギー大手のバッテンフォール(ストックホルム)は18日、ドイツで展開する褐炭採掘・発電事業をチェコ同業のEPHと投資会社PPFインベツトメンツからなる企業連合に全面売却することで合意したと発表した。バッテンフォールは2014年、スウェーデンの政権交代を受けて二酸化炭素(CO2)の排出削減と再生可能エネルギー事業の強化方針を表明。CO2排出量が多い褐炭事業の売却を模索していた。今回の取引の伴い第2四半期(4~6月)決算で220億~270億スウェーデンクローナの損失を計上する。

バッテンフォールは独東部で褐炭事業を展開してきた。EPHなどにはイェンシュヴァルデ、ボックスベルク、シュヴァルツェ・プンペ褐炭発電所、同業EnBWと共同運営するリッペンドルフ褐炭発電所の資本50%、および露天掘り鉱山5カ所(うち1カ所は先ごろ閉山)を譲渡する。

今回の取引が当局の承認を経て成立すると、バッテンフォールのCO2排出量はこれまでの年8,000万トン以上から2,500万トン未満に減少。カーボンニュートラルな発電の割合は50%から75%以上へと上昇する。

EPHは再生可能エネルギーの利用が欧州で増えても火力、原子力のニーズは当面なくならないと考え、今回の買収に踏み切った。ドイツでは11年以降、褐炭採掘会社MIBRAGを運営している。

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