独ショット、超極薄ガラスを開発

ドイツの特殊ガラス大手ショットはミュンヘンで開催されたプリンテッド・エレクトロニクス産業国際見本市「LOPEC」(2016年4月5~7日)に、超極薄ガラスを出展した。湾曲が可能なうえ、安定性に優れる利点があり、同社ではガラス基板として、民生家電、包装、自動車などさまざまな分野に需要があると見込んでいる。

ショットが出展した超極薄ガラスは、厚さが25マイクロメートルと、人の髪の毛の半分以下の薄さ。耐熱性に優れるため、伝導性のあるインクを焼結することができる。また、傷がつきにくい特徴もある。

この超極薄ガラスを基板に、接触センサを用いたディスプレーや、有機太陽電池セル、照明部品、高機能ラベルなどを製造することができる。

有機エレクトロニクスの分野では、産業用の生産に向けたインフラ整備で開発提携先と協力している。例えば、2015年には、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)の支援を受け、フィルム製造大手のテーザ、産業設備メーカーのフォンアルデンヌ、フラウンホーファー有機エレクトロニクス・電子ビーム・プラズマ技術研究所(FEP)と共同プロジェクト「KONFEKT」を発足させた。

ショットはすでに受注を獲得しており、この超極薄ガラスは2015年11月から、スマートフォンの指紋センサのカバーとして使われているという。また、スマートフォンのカメラモジュールや半導体パッケージングの分野にもまもなく投入できるとの見通しを示している。

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