民間資源・投資会社の中国華信能源(CEFC)は3日、カザフスタン国営のカズムナイガス(KMG)と合弁契約を結んだと発表した。昨年12月に合意した戦略提携に基づくもので、ルーマニアなどで事業を展開するKMGインターナショナル(KMGI)の株式51%を6億8,000万米ドル(5億9,700万ユーロ)で買収する内容だ。各国当局の承認を経て、今年10月に手続きを完了。12月付けで子会社化する。
CEFCは世界エネルギー取引市場に参入する方針で、KMGIを通じて欧州・シルクロード沿いの中央アジア・コーカサス諸国に投資する。中国政府の「一帯一路」構想で東西を結ぶ交通・エネルギーインフラが整うと見込んでの計画だ。
KMGIはルーマニアのガソリンスタンド網「ロムペトロル」のほか、ペトロミディア・ナヴォダリとヴェガ・プロイエシュティの両製油所を保有する。また、モルドバ、ブルガリアでも石油小売事業を展開する。フランス・スペイン小売事業のディネフについては昨年9月にCEFCへ株式51%を売却した。
合弁契約に基づき、KMGIの経営ではCEFCとKMGが対等の権利を持つ。また、KMGIが今後15年間でKMGから1億2,500万トン以上の原油供給を受けることも取り決められた。