ドイツ連邦陸運局(KBA)が3日発表した4月の乗用車新車登録台数は前年同月比8.4%増の31万5,921台と大きく伸びた。今年はイースター休暇が前年の4月から3月に早まっており、その反動で4月の伸び率が押し上げられた格好だ。イースター休暇は連休となるため、当該月は営業日数が大幅に減り新車登録台数が減少しやすい。1~4月の乗用車新車登録台数は前年同期比5.6%増の110万7,345台だった。
4月の新車登録台数を動力源別でみると、ガソリン車は11.0%増えて、シェアが前年同月の50.2%から51.4%に拡大した。ディーゼル車は5.8%増えたものの、シェアは同48.2%から47.0%に低下した。
ハイブリッド車は28.9%増加した。ただ、プラグインハイブリッド車(PHV)は4.2%減の964台に後退。電気駆動車も11.7%減の604台に落ち込んだ。PHVと電気駆動車に対しては政府が補助金支給方針を4月27日に決定しており、それを見越して買い控えの動きが出ていた可能性がある。
部門別ではキャンピングカーの伸び率が最も大きく、28.0%に達した。これにスポーツ車が25.6%、SUVが24.3%で続く。SUVは近年、需要が大きく伸びており、新車に占めるシェアは11.4%に達した。
新車の走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は平均128.0グラムで、前年同月から2.6%減少した。
伸び率が最も大きかったブランドはジャガーで、前年同月比125.4%増の861台に拡大した。これにホンダ(90.1%増の2,197台)、韓国の双竜(80.5%増の352台)が続く。
ドイツ車はすべて増加した。ミニ(25.4%増の4,397台)、ポルシェ(22.4%増の3,630台)、メルセデス(22.0%増の3万75台)、アウディ(10.0%増の2万9,770台)は2ケタ台の伸びを記録。スマート(9.3%増の3,780台)、オペル(6.7%増の2万2,559台)、BMW(6.0%増の2万3,386台)、フォード(5.6%増の2万2,976台)、VW(3.1%増の6万4,577台)も前年同月を上回った。
ホンダ以外の日本車ではマツダ(34.3%増の4,370台)、レクサス(17.2%増の184台)、トヨタ(10.4%増の5,915台)が2ケタ増となり、三菱(9.7%増の3,753台)、日産(0.8%増の5,972台)も増加。スバル(8.6%減の624台)とスズキ(18.7%減の2,162台)は落ち込んだ。
日本車以外の主な輸入ブランドではランドローバー(29.1%増の2,075台)、ボルボ(21.5%増の3,756台)、起亜(20.1%増の5,742台)、フィアット(19.4%増の8,491台)、シトロエン(14.9%増の4,950台)、プジョー(7.9%増の5,717台)、現代(6.2%増の9,554台)、シュコダ(5.4%増の1万6,613台)が拡大。ルノー(0.4%減の1万1,775台)、セアト(1.8%減の7,862台)、ダチア(3.8%減の4,340台)、ジープ(11.9%減の1,048台)は落ち込んだ。
一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した4月の国内乗用車生産台数は54万6,500台で、前年同月を14%上回った。同輸出台数は13%増の41万4,600台。1~4月の累計は生産台数が前年同期比3%増の201万5,800台、輸出台数が横ばいの152万1,200台だった。