ドイツ鉄道―子会社2社のIPO検討へ―

国有企業ドイツ鉄道(DB、ベルリン)は5日の臨時監査役会で、バス・鉄道子会社アライバと物流子会社シェンカーの新規株式公開(IPO)に向けた計画作成を取締役会に委任することを決定した。同社では財務の悪化が懸念されており、IPOで得た資金を債務の圧縮に充てる意向だ。ただ、両子会社のIPOに対しては政界内に批判があることから、取締役会はIPO以外の資金調達手段も検討する。第三者割当増資や国の資本注入が考えられる。

IPOによりアライバとシェンカーの少数株式を放出。市場資金45億~50億ユーロを調達する。

DBは昨年、2020年までに総額550億ユーロを投資する計画、「ツークンフト・バーン」を打ち出した。そのうち350億ユーロは国が拠出するものの、同社も200億ユーロをねん出しなければならない。この結果、現状では同社の債務が220億ユーロ以上に膨らみ、最大200億ユーロに抑制するとした目標を達成できなくなる懸念が強まっている。経営陣は子会社2社のIPOにより債務を190億ユーロ程度にとどめたい考えだ。

アライバは経営状態が良く、ゴーサインが出れば17年にもIPOを実施できる見通し。一方、シェンカーは業績が不振なことから、まずは収益力を高める必要があり、IPOは18年以降になるとみられている。

上部へスクロール