チェコ石炭大手OKD、破産申請

チェコ石炭採掘最大手のOKDは3日、破産手続きの申し立てを行った。石炭価格の低迷に苦しむ同社は赤字が続き、多額の負債を抱えるが、政府が救済を拒否したことから債務の履行ができなくなった。同社は今回の破産申請について、リストラを進め存続可能な事業を維持することが目的と説明している。

OKDは声明で、ロンドンで上場している親会社のニューワールドリソーシーズ(NWR)を含む650以上の債権者に対する債務の履行ができなくなったと述べた。同社の負債総額は172億コルナ(約6億3,600万ユーロ)で資産総額のおよそ2倍に上る。NWR以外の主な債権者にはオーストリアの銀行大手エアステ・グループやベルギーの金融グループのKBCがある。

チェコ政府は先週、NWRの株主であるアド・ホックグループから出されていた32億コルナでの株式の買い取り提案を拒否した。ただし政府はOKDの従業員の処遇に関し協力する意向を示している。

モラビアとシレジア地方に炭鉱を持つOKDは関連企業を含めて1万3,000人の雇用を抱えており、地域経済への影響が懸念されている。同国の石炭価格は2011年以来、約3分の1に下落している。(1CZK=4.55JPY)

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